卒倒、平衡感覚異常


地下鉄サリン事件から2〜3年経過した頃、突然ひざが折れて周りにぶつかりながら倒れ込み、そのまま5分か10分意識を失う症状が出るようになりました。 また、意識は失わないものの、わけのわからない倒れ方やよろけ方をすることもたびたびありました。 ただし、倒れた前後に気分が悪いと感じたことは一度もなかったのも事実です。
そんなことが起きるたびにあちこちの病院で検査を受けましたが、どんな検査を受けても異常は見つかりませんでした。

それ以降、電車のホームや車道のわきを歩くときに、その症状が急に出てきて乗り物が走る側に倒れ込んだら飛び込み自殺になってしまうという不安から、 ホームの端や車道の近くを歩かないように気をつけるようになりました。 同僚には「もしも私が事故死しても、絶対に自殺ではないから」と妙な宣言をしていました。

幸い大きな事故は起きませんでしたが、家の中で軽い打撲を負うことが多く、右半身の二の腕と太ももには、10年余りにわたって、 柱や壁の角にぶつけてできる内出血の大きなあざが絶えませんでした。長さが20cmくらいあり自分で見てもぎょっとするようなあざが 常に複数できている状態でしたが、実際は、それほど激しいぶつけ方をしていたわけではありません。
いきなり倒れたときやひどい青あざを見つけたとき、よほどの病気やけがでなければこれだけのことにはならないと思う一方で、 ほんの少し前に自分の身に起きたことが信じられないような、目の前の現実にリアリティがないような奇妙さがつきまといました。